コラム2021/11/29
パッシブ換気システムとそのメリットとは
■パッシブ換気システムの仕組みはどのようなものか
①外部に設けられた給気口により外気から新鮮空気を床下に給気します。
②床下に供給された外気を床下に設置したヒーター等により暖めます。
③床下で暖められた空気は床に設けたガラリを経由して室内に供給されます。
④室内に供給された空気は室内を循環して新鮮な空気と暖気が建物全体に行きわたります。
⑤室内に行きわたった暖かい空気は、室内の細かいほこりなどを含んだ汚染空気となり建物上部に設けた排気筒によって排気されます。
⑥建物への給気や排気に関しては、デマンド制御によって必要分だけ給気,排気できます。
■パッシブ換気システムとその利点
パッシブ換気システムは北海道の寒い気候の中で生まれた換気システムです。
北海道は本州より寒い地域ですから、本州と同じ換気システムでは住宅や施設にマッチしないことがあります。
換気についても、北海道という地域の特徴にあったシステムが必要だったのです。
そこで登場するのがパッシブ換気システムです。
パッシブ換気システムとは、家の暖かさによって生まれる圧力差を喚起に利用する方法になります。
暖かい空気は昇る性質があります。
たとえば、気球などは暖かい空気を利用した代表的なものではないでしょうか。
気球の場合は上に昇る暖かい空気の性質を利用して空に浮きます。
パッシブ換気システムとは基本的に同じで、気球のように上昇する暖かい空気をつかまえて、換気に利用するシステムです。
パッシブ換気システムとは、自然の作用を利用した換気システムなので、家の中を空気の循環で自然に温められるというメリットがあります。
この他にも、パッシブ換気システムとは、自然にもメリットのある換気方法なのです。また、パッシブ換気システムは電気や機械を使わない自然の力が動力となるため、電気代がほとんどかからないのはもちろんのこと、災害が起こった際の停電時も換気を行うことができます。
建物全体が暖かくなるので寒くなる部屋がなくなり快適に過ごすことができます。
部屋ごとに暖房機器を設置する必要がなくなるため、機器のメンテナンスが少なくて済みます。
■環境配慮建築の未来
パッシブ換気システムは環境配慮という点でもメリットがあります。
メリット①自然な空気の流れで喚起するので自然に優しい
パッシブ換気システムは暖かい空気は上昇するという自然の仕組みを利用しているため、自然に優しいという特徴があります。
空気の巡りにより自然と家の中を暖めてくれるのです。
メリット②パッシブ換気システムとは温度ムラのない方法である
暖房で家の中を暖めると、室内の上の方が暖かく、下の方が寒いというケースが少なくありません。
暖房で暖めると家の中や室内に温度ムラができてしまうのです。
パッシブ換気システムとは温度ムラのない方法なので、室内の上下や部屋同士で温度ムラが出にくくなります。
メリット③パッシブ換気システムとは暖房効率の良い方法である
パッシブ換気システムで暖かい空気が家中にめぐるようにしておけば、暖房を必要以上に使う必要はありません。
また、床暖や暖房機器の効率もよくなりますので、環境への配慮と光熱費の削減が同時にできてしまうシステムであるというメリットもあります。
自然な暖かさを好む方にもおすすめの方法です。
■パッシブ換気システムを導入するのに必要なことは?
パッシブ換気システムを導入するにあたっては、すきま風が入ったりすると空気の循環が悪くなることとなるので、建物本体には高い断熱性と気密性が求められます。
■最後に
パッシブ換気システムとは「暖かい空気は昇る性質がある」という仕組みを利用した換気システムです。昇って来た暖かい空気をつかまえて家の中を循環させ、自然と家や部屋を暖める方法がパッシブ換気システムになります。
暖かい空気の循環によって室内が暖かくなるため、温度ムラがなく、体や環境に優しい暖かさになるというメリットがあるのです。
パッシブ換気システムを利用することにより暖房機器や床暖の効率もよくなるというメリットがあります。
パッシブ換気システムなど環境に配慮して建築はボンアーキテクツにお任せください。